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帰宅難民レポート
飼い主、現在の職場はある工場内の4階建てビルの4階。 比較的新しい建物だけど、
結構簡単な作りで、素人目の私には「プレハブっぽい・・・」という印象だ。
これまで、ここでの勤務中に何度か地震の揺れを感じたことがあったけど、
「4階の割に揺れるなぁ」という感じで、実際の震度より揺れを強く感じる場所だった。
11日の金曜日、「結構揺れてますよね?」と周りの人と話し始めたところで、
「ブチンッ!」と一斉に電気・PCのディスプレイが消えた。 揺れが一気に強まり、
みんな慌てて机の下へ。 「これで、終わりか」「まだ、揺れるの?」「え~、どうなってるの?!」
とにかく強く長い揺れに、その時点では関東が震源の地震だと思ったのだ。
机の下に隠れながら、飛び出す机の引出しを戻し、移動するキャスター付きの椅子を押さえていた。
なんとか揺れが止まり、机の下から出てみると、液晶ディスプレイが倒れていたり、
タワー型のPCが机の上から落ちていたりと、改めて揺れの大きさを実感した。
ここで東北方面が震源だとの情報が入ったが、まさかここまでの事態になるとは・・・
着の身着のまま誘導されて、建物の外へ。 工場なんで、なんか水を溜めてある池みたいなものが
何ヶ所があるんだけど、その周りが水浸しになっていた。
工場内にあるグランドへ誘導され、そこで人員確認、そのまま待機。
携帯端末を持っていた人にテレビを見せてもらうと、津波にさらわれる家や車の映像。
「え~?!」 津波って、もっと時間が経ってから来るんじゃないの?!
そうこうしているうちに、再び激しい揺れ。 何とも言えない音、建物の揺れ、溢れる水。
上空にはヘリコプター、そして空港へ降りられず旋回する旅客機。
そのうち雨まで降ってきて、とにかく寒かった。
私が感じていた建物の印象に反し、「耐震性が確認されているので、戻って良い」との指示。
数ある工場の建物の中、最初に戻って良いと発表された建物は2つだけ。 古い工場だしな・・・
建物に戻ったものの、停電でもちろん仕事の続行は不可能、トイレも水が出ない状態。
帰れる人は帰って良いということになり、みんな次々と帰り始める。
飼い主は、帰れるとは思わなかったが、停電でトイレも使えない職場に残っても仕方ないと判断し、
とりあえず駅に向かうことを決めた。 バスで駅へ向かう途中から、電気が点いていることを確認。
駅に着くと、バスロータリーの周辺にはバスを待つ人たちが溢れかえっていた。
電車が動き出すまで時間を潰そうと考えていた大型ショッピングモールは閉館中。
従業員も外に出されている状態だった。 今日知ったけど、映画館の天井が崩れたらしい。
バス・タクシーはとにかくすごい行列で・・・ この時点で、「今日中には電車が復旧するだろう」
と考えていた飼い主は、駅近くの複合ビルへ。 寒さをしのげて、トイレも使える。
この時点で、母との連絡は取れていなかった。 電話は掛からないし、メールは一方通行。
うちの母は、メールを読むことは出来るが、自分から送ることは出来ないのだ。
電車が動き出すまでこの建物で過ごそうと決め、本格的に電話を掛け始めた。
母の携帯は「圏外か、電源が入っていない」というメッセージを繰り返し、
自宅の電話は呼び出すものの、母が一向に電話に出ない。 仕方ないので隣の家(親戚)へ電話。
電話を取り次いでもらって、やっと無事を確認。 停電しているものの、それ以外は大丈夫とのこと。
我が家の電話、停電だと掛からないらしい。 掛けた方は、普通に呼び出し音が聞こえているので、
まさか停電で音が鳴っていないなんて思わなかったし。 隣の家の電話は使えてたんんだよなぁ。
停電でも使えるタイプのに買い替えるか・・・
この複合ビルでは、BGMが流れる中、定期的にラジオのニュースと思われるものが流された。
そして19時前頃かなぁ、「JRは今日中の復帰は無理」というニュースが流れた。
この時点で、「こりゃ、もしかしたらもしかして、今日は帰れないのか?」と思い始めた。
JRが動かないとなると、残る望みは私鉄。 日頃から復帰の早い私鉄に望みを託し、
私鉄の駅へ移動することを決めた。 バスもちょっと考えたけど、夕方以上のすごい列に
「この寒さ、この風の中、ずっと並んでいるなんて無理!」とへなちょこ飼い主はバス却下。
ま、バスでちょっと行ったところで、家には帰れないんで・・・
駅前にあるホテルの入り口には「本日満室」の貼り紙があり、自動ドアが開かないようにしてあった。
私鉄の駅近くの地下街へ行ったところで、友人からのメール。 「私鉄も今日は動かないって」と。
はい、足止め決定。 とりあえず、兄にメールしてみるが、兄も会社で泊まり込みの待機だという。
兄の職場は我が家の近くなので、迎えに来てもらうにしてもかなりの距離だ。
この時点で、地下街で一晩過ごすことを決め、旅行会社のパンフレットを何冊か拝借し、
暖房の効いた比較的暖かい場所に腰を下ろした。(職場を出てから、それまでは立ちっぱなしだった)
すると、地下街のお店の人が段ボールを配ってくれたり、近くにいたおじちゃんが貼るホッカイロを
分けてくれたり。 皆さんの優しさが、とても暖かく身に染みた。
このあたりから携帯電話の電池残量がかなり少なくなったため、電源を切って、
30分に1度だけメールのチェックをするようにした。 そして22時頃にメールをチェックしたところ、
「停電で何も出来ず、会社の帰宅許可が出た。 とりあえず、そっちに向かう。」とのメール。
駅で一晩過ごす覚悟をしていたので、かなり嬉しかったのだが・・・ その後、なかなか連絡が無く、
23時半頃に留守電のメッセージが。 「渋滞でどうにもならない。 引き返す。 朝まで頑張れ。」
とのこと。 一縷の望みが断たれました。 一応、公衆電話から兄に電話して、状況を確認。
高速道路も通行止めだし、とにかく渋滞がひどくて、とてもじゃないけど辿り着けないとな。
ま、仕方ないですな。 で、トイレ行ったり、公衆電話に並んでいたりしたら、
段ボール敷いて座っていた場所が取られちゃいました。 飲み掛けの缶コーヒーと食べ掛けの
カロリーメイトを置いておいたんですが・・・ スペースが不足していて、休みたい人が場所を探して
常にウロウロしている状態だったし、仕方ないとその場所を諦め、JR側へ様子を見に行ってみた。
寒い中、駅の改札口前で寝ている人がいたり、相変わらずバスのロータリーは長蛇の列で、
何やら放送で「○○学校が避難場所に指定されています」とかも聞こえたな・・・
ぐるっと回って、再び地下街へ。 すると、みんなが同じ毛布を使っている。
おっと、居ない間に毛布の配布があったのか・・・ 中の方へ歩いて行くと、市役所の人が配ってた。
1枚借りて、座れる場所を探してウロウロ。 午前1時近く。 暖かい場所は空きが無い。
少し冷気が来るけど、震えるほどじゃなく、催事場を警備している警備員がいる近くに座ることにした。
上からは試運転(点検?)しているらしき電車の走る音が聞こえていた。
夕方からこの時までの時間を考えれば、朝までの待ち時間なんて大した時間じゃない。
読み始めたばかりの文庫本を開いてみたが、さすがに読み耽る気分でもなく、
行き交う人達や周囲の人をマンウォッチングして過ごした。
ほとんどの人が横になっていて、いびきもあっちこっちから聞こえ・・・ みんな、すごいな・・・
と感心。 飼い主は横になること自体、抵抗があって、座ったまま過ごした。
午前4時を過ぎると、徐々に人の動きが活発に。 この時点で、電車が動くという情報も無し。
4時半を過ぎると、飼い主の周りにいた人たちもどんどんといなくなったので、飼い主も腰を上げた。
毛布を返し、ひとまずトイレへ。 通常なら女子トイレに行列ができるところだが、男子トイレに行列。
この地下街のトイレ、ほとんど並ぶことも無く、紙切れになることも無く、不自由しなかったなぁ~
で、まずはJR側の偵察。 なにやら聞こえるアナウンス。 私鉄が始発から運行との情報。
やっぱり私鉄が先かと私鉄の駅へ急いだ。 上りの本数が圧倒的に多く、そのくせ乗る人が少ない。
下りは飼い主がホームに上がってから15分後が始発。 普通列車で4両。 ホームはみるみるうちに
人が溢れ、「絶対、乗れないだろう」という状況に。 普通列車が到着する直前、
「普通列車の後に、臨時で当駅始発の特急列車を出す」とのこと。 明るい光が見えた。
さらに特急列車が到着すると、飼い主がいた近くにドアが。 そしてラッキーなことに座れた!
やっと帰れる・・・ 駅からは路線バスに乗る気にもならなかったので、タクシー。
6時45分、帰宅。 職場を出てから約15時間。 いつかこんな日が来るかもと思っていた
帰宅難民経験だった。 携帯の予備バッテリー、用意しておくようにしよう・・・
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母が出掛けたりしていなくて、本当に良かった。
みんなバラバラだったら、何が何でも、一分一秒でも早く帰ろうとしたと思う。
今回は母と海斗の無事を確認できたし、心配無いと分かったので、無理に帰ろうとは思わなかった。
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この方、最近忘れっぽいみたいで、今回の地震についても精神的ダメージは無いようです。
椅子ガランガラン事件も忘れたみたいで、同じ金属の椅子の音にも無反応っす。

自衛隊に救出されたおじいちゃんが言っていました。 「また再建すればいい」
頼もしい・・・ 頑張ろう! みんなで協力すれば、きっと大丈夫。 再建出来るよね。

by rockaito | 2011-03-14 00:18 | わんこ
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